VBAはプログラミング言語として人気がない?|具体的かつ合理的にコメント

公開日:2019年10月18日

VBAというプログラミング言語の人気

VBA(Visual Basic for Applications)はExcelという日本で最も普及しているソフトウェアに付属したプログラミング言語。

このVBAですが、プログラミング言語の人気がないと言われることがあります。

私はVBAツール開発の仕事に携わることが少なくないのですが、現場でも周りからVBAツールを嫌悪しているコメントをしている人や雰囲気を出している人はいます。

Q&AサイトのOKWAVEでこんなQ&Aを見つけました。

(OKWAVE)vbaがプログラマとして人気のない理由

10年前のQ&Aですが、私もこのベストアンサーに概ね賛成の立場です。

この点、VBAエンジニアとして私の視点から、具体的かつ合理的にコメントします。

1.プログラミング言語としての魅力が低い

既存ソフトであるExcelやAccess上で自動化を実現するための「ツール」開発という位置づけであるため、新規のシステム、アプリ開発、若しくは開発システム、アプリの運用保守という訳ではありません。

従って、ITエンジニアの立場としては、VBAはプログラミングやSEとしての「醍醐味」を味わえる言語ではなく、魅力の低い言語といえます。

2.システム開発としての作法がおざなりになる

システム開発となると、情シスなどITに精通した人がエンドユーザー側からも参画することが通常であり、一般的な参考書で学ぶ「要件定義→設計→実装→テスト→納品」といったシステム開発の「作法」が当たり前の世界で、システム開発に携われます。

これに対してVBAツールとはEUC(エンドユーザーコンピューティング)ツール、すなわち事務作業者のためのツールです。

従って、エンドユーザー側は、事務作業者から依頼を受けてツールを作って満足にテストされずに提出ということも少なくありません。

文書化されることも少ないのが実情。

お客様であるエンドユーザーの意向に沿うとシステム開発のお作法など通用しません。

「手っ取り早く作って終わり。その後の保守運用、機能向上といった話には繋がりにくい」という傾向もあり、生粋のITエンジニアからは怨嗟の声が聞こえてきそうです。

3.事務作業者と競合する

国全体のマクロ視点では、少子高齢化、2050年問題、働き方改革といったトレンドワードにみられる通り、手作業からITによる自動化へのシフトを進めることは当然の流れです。

しかし、事務作業者の立場からすると、自らの仕事を奪うのが便利なVBAツールやRPAツールです。

社内で実質的なコンセンサスが得られた状態で依頼があると、開発者の立場でも気持ちよくツール開発できるのですが、そうでない場合もあります。

特に現場で事務作業者と同じ部署で常駐してツール開発する場合が通常であるので、部署内の雰囲気が。。。といった場合もあります。

以上からケースバイケースではありますが事務作業者から見ても、VBAは人気がない、という意見が出てくることはあります。

4.実際は仕事の需要は高い「人気のあるプログラミング言語」

以上、VBAは人気がない、という立場から理由を挙げましたが、一方で人気があるという立場の理由も挙げることができます。

上述の通り、日本全体ではIT自動化は求められています。Excelという国内最大のシェアを誇る事務用ソフトを使った業務の効率化にVBAツールやRPAツールは最有力候補です。

そういった意味で、VBAの仕事の需要は多く、人気のあるプログラミング言語であることは間違いないと思います。

今回の記事と重複する部分もありますが、次の記事はVBAの仕事の需要という視点から実証データの検証を行いながらコメントしています。

まとめ

以上、VBAはプログラミング言語として人気がないかどうかについて、コメントしました。

VBAツール開発は、全体最適化と個の最適化は異なるので、全体最適化は思うように進まない、という事例の一つといえます。

VBAエンジニアとしては、「険悪な雰囲気の中で肩身狭くツール開発はしなくないので、常駐の仕事→リモートの仕事という流れになるといいなー」というのが本音のところです(苦笑)。

最後までお読み頂きましてありがとうございました。

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