営業事務で使える便利なExcel VBA EUCツール例5選

公開日:2019年10月18日

VBAで作る営業事務ツール

皆さんが普段仕事で使用しているExcelやAccessといったMicrosoft Office製品と最もマッチしたプログラミング言語がVBA(Visual Basic for Applications)です。

主に経理や人事総務といった事務作業用のExcelツール開発でVBAが使用されることが多く、開発者ではないユーザーもマクロ記録機能を使って、作業自動化していることも少なくありません。

私は経理や経営企画を始めとする様々な事務作業に携わりましたし、VBAツールの開発エンジニアとしての実務経験もあります。

そこでこのページでは、営業事務で使える便利なExcel VBAのEUC(エンドユーザーコンピューティング)ツールの例を5つほど考えましたのでご紹介します。

営業事務で使えるVBA EUCツールの特徴

最も代表的な使い方は、Excelで作成した販売データを、販売管理ソフトに取り込むために、必要な情報だけを抽出してcsvファイルに変換するツールです。

販売管理ソフトの種類やバージョンによって、取り込む情報や書式は異なりますので、手作業で行うと時間がかかるため、作業時間短縮と入力の正確性を高めるVBAツールが便利です。

部署や商品よって、異なるフォーマットのExcelファイルを使用している場合や、担当者単位でExcelの報告ファイルを作成しているために大量のファイルを一つのExcelシート内にデータ集計する場合にも、同様にVBAツールは役立ちます。

もう一つ便利な機能としては、手作業のチェックです。営業事務では請求書を始めとして、紙ベースの書類はなくなることはないため、書類をExcelファイルに手入力する場合が多いですが、そのような場合にダブルチェックとしてVBAツールを使用すると管理者の負担は減ります。

(その1)売上報告書ファイルから必要な情報を販売データとして集計し、販売管理ソフトへインポートするcsvファイルを作成するツール

最もポピュラーな使い方の一つですが、実装できる便利な機能は考えるとたくさんあります。

部署の違いによって異なる報告書フォーマットに対応するように、VBAプログラミングでは、共通で使用できる機能と個別の機能でプロシージャを分け、コードの見た目も分かりやすくしておきます。

販売データも定型的な部分と例外的な部分がありますので同様にコーディングします。

販売データとして集計する前に、報告書ファイルに入力する情報が仕様で定められた書式になっているかどうかのエディットチェックや、集計後に合計金額や件数などのトータルチェックを行って、VBAツールが正しく機能しているかどうかを検証できる機能を実装していると、より効果的なツールになります。

最後に販売管理ソフトの種類やバージョンで定められた仕様に合わせて書式変換などを行い、csvファイルにします。

(その2)マスタとなる顧客情報を基に、手入力作業を行うことなく、契約書や請求書など様々なOfficeファイルに自動転記してくれるツール

契約書や見積書、請求書、プレゼン資料など、顧客と取り交わす様々な書類が存在しますが、その都度、顧客情報を手入力すると処理ミスにつながりやすいため、この処理ミスを防止して、早く正確に書類を作成するツールです。

ツール自体はExcelファイルにVBAプログラミングを行い、別ファイルの顧客マスタより顧客Noを検索条件として、ツール上に対象となる顧客の情報を反映させます。

転記先となる契約書や見積書、請求書、プレゼン資料などはOffice製品であれば、Excel、Accessはもちろん、WordやPowerpointで問題ありません。VBAはOffice製品間の連携が億位なプログラミング言語です。

Excelツールに実装したボタンを押すだけで、各書類フォーマットの顧客情報部分を顧客Noで検索した顧客情報にVBAプログラムが自動的に書き換えて書類完成です。

同時にボタン一発で一括印刷するような機能を実装しておけばさらに効率的に正確に事務作業が進むでしょう。

(その3)ExcelからOutlookメールを操作することで、誤送信を防止し、かつ作業の効率化を図るツール

OutlookもOffice製品であるため、VBAプログラムでExcelと連携できます。

メールソフト上で手入力すると、メールアドレス間違いやメール本文の名前間違いなど、様々な処理ミスが発生しやすくなります。

この問題はExcel上からOutlookを操作することで発生可能性を軽減できます。

例えば、宛名や差出人、その他キーワードなどを条件に受信メール情報をExcelツール上にリストアップします。

返信したい場合には、対象の受信メールを選択し、ツール上にマスタ化した定型文なども選択してボタンを押すと、ツール上に送信メール文が表示される仕組みです。

メール本文冒頭の宛先の名前は、アドレス帳などから情報を取得して自動的に反映させます。

このようにメールアドレスとメール本文冒頭に挿入する会社名、名前などを対応させた表をマスタシートとしておけば、誤送信は大幅に減らせるでしょう。

事務処理の速度も向上するはずです。

(その4)旅費精算を効率よく行えるツール

旅費精算を行う場合には申請書類フォーマットへの入力だけでなく、宿泊先の情報や交通費情報をWEBにアクセスして印刷しなければならないことです。

効率悪い方は、1つ1つの書類毎に入力やインターネットにアクセスしては印刷する、という往復作業を行ってしまいます(「フットワークを軽くするため」「ダイエットのため」とおっしゃる方もいますが)。

VBAはOffice製品だけでなく、同じくマイクロソフトが開発したIE(Internet Explorer)との相性もよく、Excelに実装したVBAプログラムでIE操作を行うことが可能です。

従って、まずはじめに旅費精算に必要な情報を全て入力します。

次に、ボタンを押せばVBAプログラムが実行し、各書類フォーマットに自動的に必要事項を入力。宿泊先や交通費情報も指定されたURLからIEを操作し画面キャプチャを取得します。

最後、これら全ての書類、資料を一括して印刷します。

領収書を張り付ける台紙もフォーマットに含めておくことを忘れずに。

(その5)持ち出しPCやファイルの申請書に情報を一括入力するツール

PCを持ち出す時には、許可申請を行いますが、申請書類に自動入力するツールです。

PC内のファイルの保管場所のパスをExcelツール上に指定。その他の情報もマスタ化などで効率よく入力できるようにしておきます。

ボタンを押すとPC情報やファイル名が申請書に自動入力される仕組みです。

完了までに時間がかかりますが、機密情報などのワードリストを用意しておき、各ファイル内の情報に機密情報が含まれていないかどうかのマッチングを行う機能も実装しておくと情報漏洩リスクの軽減にも貢献するツールになるでしょう。

まとめ

以上、営業事務に役立つ便利なExcel VBAのEUCツールについて、5つほど例を紹介しました。

アイディア次第でVBAの可能性は広がります。

最後までお読み頂きましてありがとうございました。

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