Oracl Java Silver SE8/11 | 初心者におすすめの本と勉強方法
更新日:2022年2月7日
「1Z0-808-JPN Java SE 8 Programmer I 試験(通称:Java Silver)」は、最も人気があるベンダー系IT資格の一つです。
私も以前にJava Silver SE8の資格を受けたことがありますが、98%という予想外の高得点で合格することができました。
そこで今回は、Java初心者のサイト管理者が独学で合格するまでの勉強方法やおすすめの本についてご紹介します。
※SE11について
本ページはSE8の勉強方法ですが、SE11にもそのまま適用できます。どちらにもお役に立つはずです。
Oracl Java Silver SE8/11 | 初心者におすすめの本と勉強方法
目次
1.Java Silver学習前のサイト管理者のスキル・環境・受験の動機
VBAやWEBは仕事や趣味の領域として独学を通じて経験がありましたが、本格的なプログラミング言語の学習は今回のJavaが初めてでした。もちろん仕事でJavaを使用した経験はありません。
学習環境については、日中は自宅から1時間程の場所にある会社で働いていたため、日中は自宅と会社の往復時間+帰宅後、それと土日祝日が勉強に充てることができる時間でした。
また受験の動機ですが、上述の通りVBAやWEBの経験はありました。しかし、より本格的にプログラマーとして仕事をしたいと思っていたことと、Javaはプログラミング言語の中でも仕事ニーズが高いこと、そしてIT資格の中でもOracle Java Silverは最も人気があるため、受験者数が多く、ネットでも有用な情報を得られることから、Java Silverを受験することにしました。
2.事前準備
OracleのJava SE 8 認定資格 紹介ページで試験概要や受験料、日程、問題などについて調べました。また、ネット検索で他の方の合格体験や学習方法を調べました。
3.計画
綿密な計画は立てていません。
なぜならば、これまでにもIT資格を含めていくつかの資格を受験し合格してきた経験があるため、頭の中でスケジュールは予想でき、また学習方法も確立されているからです。
独学で使用する書籍はネット情報を参考にして、いくつか候補を絞っておきました。
この段階で計画したこと(頭の中でイメージしたこと)は次の3つです。
計画1:勉強時間と学習期間
(1)勉強時間:テキスト1,2冊と問題集2,3冊を各2週 + 直前対策 = 120~150時間
(2)学習期間:6か月から12か月
※この計画に対して、実際に要した勉強時間は180時間、学習期間は9か月でした。
計画2:勉強の方法
(1)日中は出勤前に勉強する。少し早めに家を出て空いている電車の中で勉強し、最寄り駅に着いてから出勤時間までは近くの公園や喫茶店で勉強する。
(2)外でも効率よく勉強できるように電子書籍を活用する。
(3)休日は自宅で学習。PC上で実際にJavaプログラムをコーディングする時間も作る。
(4)試験直前までに対策ノートを作成する。試験直前から試験日までの間に利用するための、主に暗記対策や弱点対策として利用するノート作り。
(5)モチベーション高い状態で試験に臨むために体調を整え、気力を充実させること。風邪をひかないなど健康面のケア
計画3:最初に使う書籍
ネット情報からほとんどの受験者が「オラクル認定資格教科書 Javaプログラマ Silver SE 8」を参考テキストとしてすすめていることを知りました。通販サイトのレビューも好評であること、電子書籍もあったため、紫本を最初のテキストとして使用することにしました。
4.学習
まずはじめに、使用した参考書(3冊)のメリットや使い方、使ってみた感想などをコメントし、次にプログラムのコーディングや直前対策についてコメントします
おすすめの参考書1:Javaの基礎を理解できる基本テキスト
<使用期間・購入理由・書籍の内容>
- ①使用期間:最初から最後まで
- ②購入した理由
テキストとしてネットで好評だったため。また電子書籍があり、しかもKINDLEの各種機能が最大限に利用できるような仕様だったため。 - ③内容
テキスト8章+問題演習(8章分+模擬問題1題 問題数合計195問)
<書籍のメリット・使い方・感想など>
日中はスマホ(KINDLEアプリ)で、自宅ではKINDLEを使って、紫本(電子書籍)を読み進めます。
重要な点はKINDLE機能の4色のハイライトでマーカーし、単語はこれもKINDLE機能のカードデッキで単語帳にします。
理解できない部分などについては、日中はスマホ上でメモしておき、休日にネット情報などで調べ、調べたことは>KINDLEのメモ書き機能で該当箇所にメモを追加します。
紫本の良かった点は、Java Silverの試験範囲を網羅している良質な基本テキストということです。私はJava経験者ではなかったため、この参考書で基本を押さえることができました。
もう一つのおすすめポイントは、KINDLEの各種機能が最大限に利用できるような仕様で電子書籍化されていることです(電子書籍の全てがKINDLE機能を活用できるわけではありません)。
テキストとして使用するだけに、「ハイライト」や「カードデッキ」というKINDLEの機能を使用できたことで、各学習分野の理解促進や暗記など、大きな学習効果を上げることができました。
☆2冊目の書籍を選ぶきっかけ
紫本には各章の終わりに演習問題があり、各章を読んだ後に解きましたが、2週しても正答率は低いままでした。
そこで別の問題集を使用する必要があると思い、紫本を2週した段階で次の白本を購入することにしました。
おすすめの参考書2:Java特有の難しい論点が理解できる問題集(図解が豊富)
<使用期間・購入理由・書籍の内容>
- ①使用期間:学習5か月目から最後まで
- ②購入した理由
ネットのおすすめレビューより(解答の図解が評判良好。難易度も黒本と比較すると易し目であり、現在レベルの問題演習には丁度いいと思った)。また、購入前に電子書籍サンプルを見たところ、1問1答形式になっているため、問題と解答とのページを行ったり来たりという見返しが電子書籍であっても、し易かったため。 - ③内容
問題演習(8章+模擬問題1題 問題数合計308問)
<書籍のメリット・使い方・感想など>
白本は問題集です。問題数が300を超えているため演習をこなすには十分な量があります。
紫本や後述の黒本と比較すると、次のメリットがあります。
☆メリットその1
「1問1答形式」のため、問題と解説を電子書籍でもストレスなくページを往復できる。
☆メリットその2
解説が親切で丁寧。クラスや参照型、継承関係やエラー処理など、「分かりやすい図解」が豊富に掲載されており、初心者には難しいと感じる分野であっても、紫本との併用で理解することができる。
紫本では、参照型と基本データ型の違いや、継承関係を含めたクラス間の関係といった箇所でつまづいていたので、白本の解説がこれらの理解に大きく役立ちました。
学習期間5か月目~7か月目ですが、まずは白本の問題を解き、解説を見て理解します。
そして基本的なところが分からない場合には紫本を読み返す、といったことを繰り返しました。
より具体的な学習方法ですが、白本の1週目では各章の問題について間違った問題をメモしておきました。
そして、2週目では間違った問題のメモだけでなく、「なぜ解けなかったのか」、「知識が足りないのか」、それとも「問題の読み間違えや計算ミス、ケアレスミス」なのか、知識が足りない場合には「どういったことが分からなかったのか」、といったことをできるだけ具体的にメモ>しておきました。
直前対策では、このメモが弱点補強のノート作りに大きく役立ちました(紫本や黒本の問題演習でもこのメモ書きは実践しました)。
おすすめの参考書3:Java Silver問題と同レベルの問題集
<使用期間・購入理由・書籍の内容>
- ①使用期間:直前(試験1か月前)から最後まで
- ②購入した理由
「直前対策用」に購入。ネットで試験では黒本の類題が多く出題されるというおすすめコメントがあったため。また、黒本を勧めるレビュアーは紫本や白本よりも多かったこともあり、やっておくべきと感じて購入した。 - ③内容
問題演習(9章+模擬問題2題 問題数合計324問)
<書籍のメリット・使い方・感想など>
紫本や白本の問題演習(模擬問題を除く)では、この時点で7,8割の正答率があり、合格率65%のJava Silverは既に合格圏内だと思っていました。
しかし逆に合格圏内にあるからこそ、「必ず合格しないといけない。取りこぼしはないようにしたい。」という思いも強くなり、不安も同時に抱えていた時期でした。
また、既にピアソンVUEオンラインサイトより試験日を予約しており、直前期の勉強を始めようとしていた時期でもあったので、評判の黒本を購入することにしました。
解いてみたところ、問題形式が紫本、白本と被らず、問題の難易度もこの2冊より高いため、最初の1週目では5割位しか解けなかったので焦りました。
しかし、1週目で上述のメモ書きによる勉強法+紫本、白本の併用によって2週目では合格圏内である正答率7割を突破することができました。
おすすめ本の比較(まとめ)
上述の通り紫本、白本、黒本の3冊を使用して学習しましたが、どの書籍もJava Silverの資格取得にはお勧めできる書籍です。
上述のコメントと一部重複しますが、まとめて比較すると次の通りです。
比較その1:特徴
- ☆紫本
基礎を固めるテキストとして最適。「KINDLEの各機能(マーカー、メモ、文字拡大縮小)が利用できる」ので、電子書籍としての使用をお勧め。 - ☆白本
最初の問題演習として〇。紫本で固めた基礎を理解するのに適している。特に「図解が豊富」なため、Java特有の難しい分野(オブジェクト指向、継承関係など)の理解にとても役立つ。 - ☆黒本
「現在のレベルを試験レベルに高めてくれる」問題集。試験問題の類題が多い。
比較その2:電子書籍としての使いやすさ
黒本 << 白本 << 紫本
☆コメント
黒本は問題と解答のページが離れている。白本は1問1答形式のため、見返しし易い。紫本はKINDLE機能が多いに活用できる。
比較その3:演習問題
- ①問題数
紫本 195問 << 白本 308問 < 黒本 324問 - ②難易度 (易)白本 < = 紫本 << 黒本(難)
- ③知識定着度 黒本 = 紫本 << 白本
- ④試験問題との類似 白本 < = 紫本 << 黒本
☆コメント
黒本が難しいと感じるのは、紫本には載っていない定義やメソッドなどが出題されているため。また解き方のコツも他の2冊と異なる部分が多いと感じました。しかし試験の類題は黒本が比較にならないほど多かったです。
プログラムのコーディング
休日を利用して、モチベーションが高い時に、書籍に載っているJavaプログラムを実際にPCで打ち込んでみました(Windows環境)。
構築環境は、①コマンドプロンプト、及び②Eclipseを利用した環境、という2種類です。
実際にやってみると、環境の構築にはそれほど時間がかかりませんでしたが、Eclipseの操作に慣れるのには時間がかかりました(例えばプロジェクトやクラスの作成方法が分からないなど、苦戦しました)。
資格勉強に役立つ点としては、変数スコープやパッケージ、インポート宣言は実際にコーディングしてみると、どんなコードでエラーになるのか、より理解が促進されます。時間がかかるので数をこなす必要はないと思いますが、コード打ちはやっておいた方がよいと思います。
直前対策(試験1か月前から)
上述に記載の通り黒本の各章の問題演習を2週しました。
そして次に、温存しておいた各書籍の模擬問題(紫本1,白本1,黒本2の合計4試験分)を一気に解いていきました。
その結果、白本の模擬問題は7割を超えたものの、紫本と黒本の2題は合格点である65%前後という結果になりました。
そこで、間違えた問題と、理解が不足している(あやふやな)問題について、「対策ノート」を作りました。
具体的には、解説を読み、重要なポイントをノートにまとめていきました。また、理解不足の箇所については紫本に立ち返り、試験日に一緒に読めるように該当箇所をノートに手書きしました。
もう一つ重要なノート作りのポイントは「自分が間違えやすい箇所の傾向を分析してまとめておくこと」です。
理解できていないということではなく、ケアレスミスを中心とした項目をまとめます。例えば、私の場合は「繰り返し文と分岐文がネストされた問題の計算を間違える傾向がある」、「String型は不変オブジェクトであるため、String型のメソッドを利用した場合には変数に代入しているかどうかを注意して見ておく」、「super()とthis()は同時に使用できない」といったことなど。
問題を解いている時に失念しており、間違えてしまう傾向があったので、これらを「試験中に見直すポイント」としてノートにまとめておきました。
ノートですが、今まではスマホとKINDLE上のキー入力でメモしていましたが、ここでは手書きのノート作りです。手書きによって記憶をさらに定着させたかったということがあります。
ノートといってもA4の印刷用紙5,6枚の両面に赤黒のボールペンで手書きする位です。それらをホチキスで止めておけば十分です。新しいノートだと折ったりすることができないのでむしろ不便になります。
その他、この期間に行ったのは、定義や各クラスのメソッド、プロパティを中心とした暗記です。特にString型やStringBuilder型のメソッド、繰り返し文などの定義(コードの形)、抽象クラスとインタフェースの違い、Date and Time APIの各定義やラムダ式の形などです。
紫本で作成しておいたKINDLEのノートブック(ハイライト)やカードデッキ(単語帳)で覚えていきました。
以上の直前対策ですが、試験1週間前には運よく有給を取ることができたため、集中して勉強する時間を確保できたということもあり、自宅でじっくりと取り込むことができたことも幸いしました。
5.モチベーションと体調管理
モチベーション
今回の資格取得の学習期間は6か月以上と長丁場のため、モチベーションを落とさずに維持し、直前から試験日までに段々と高めていくように持っていきました。
行ったことは次の通りです。
- (1)直前までは頑張りすぎない。一度に学習するのではなく、コツコツと少しずつでもいいので継続を心がける。
- (2)スマホのカレンダーに学習したことをメモしておく。問題演習も正答率を記載しておく。達成度が分かるのでモチベーション維持に役立つ。
- (3)自宅では「ながら学習」。音楽を聴いたり寝転がってお菓子やお茶しながらリラックスした状態で学習する。
- (4)(1)で継続と記載したが、毎日必ず学習する、といった決め事はしない。週単位、月単位で進捗状況を把握して、大幅な遅れがなければ全く学習しない日も問題なしと考える。
- (5)勉強に飽きてきた場合には、別の電子書籍やゲームアプリで気分転換する。
体調管理
冬に試験を受けるため、風邪には気を付けました。具体的にはうがいや手洗いをし、厚着をするといった基本的なことだけでなく、ビタミンCを中心としたサプリメントを購入して飲んでいました。
次にこれも冬の傾向として、どうしてもトイレが近くなります。試験は150分(2時間半)の長丁場のため、試験前は飲み物を控えるようにしました。
最後に私自身の傾向として夜更かししてしまう癖があります。今回も試験の数日前に昼夜逆転した生活を送ってしまいましたが、ネットショッピングで昼に宅配が来るように指定しておき、宅配業者に迷惑がかからないようにするには徹夜ならぬ徹昼しないといけない状況をあえて作った結果、何とか元に戻すことができ、前日は熟睡して試験に臨むことができました。
6.申し込みと試験
申し込み
直前(試験1か月前)になって、ピアソンVUEより試験の予約をしました。
試験場は新宿のテストセンター。時間は直前まで頭に入れたかったので午後にしました。
1週間位前になってもう少し学習時間が欲しいと考え、一度だけ試験日を後ろ倒しに変更しました。
試験
試験場には45分前に到着して、写真や同意書への署名、本人確認などの手続きを済ませました。
ピアソンの試験は初めてだったので、鍵や財布を含めた全ての私物をロッカーに入れることについて、試験場に着く前までは不安だったのですが、試験場に着くと、受付の目の前にロッカーが並んでいたため、これなら盗難の心配はないと安心しました。
メモ書き用のホワイトボードを渡され、スタッフに試験室に案内されてPCの前に座り、説明文を読んでから試験開始しました。
最初の問題が見たことのないプログラムが長文で、緊張していたこともあり考えるのに時間がかかり、解答するのに4,5分かかりました。
その後も慣れない雰囲気の中、時間をかけながら解いていきました。
しかし、次第に黒本で見たことのある類題が続出。すんなり解ける問題が増えてきて緊張も解け、体もほぐれてきました。
残り45分位で全て解答が終了。残りの時間を最初の問題から順番に、ノートでまとめたポイントを思い出しながら見直していきました。全ては見直すことができませんでしたが、8割程は見直すことができ、3,4問を訂正しました。
残り数秒でテスト終了ボタンを押し、合格の手ごたえを感じながら試験室を後にしました。
7.合格結果の通知
帰宅後、PC上でCertViewにログイン。
結果が98%で合格だったことには正直驚きましたが、合格できたことにホっと胸をなでおろしました。
8.まとめ
というわけでJava Silverを無事、取得することができました。
現在はJavaでWEBツールを開発するために、ネットワークプログラミングやインタフェースなど試験範囲外のことを学習しています。
Java Silverの知識だけで相応のツールを開発することはまだまだ知識不足で難しいですが、基本を網羅的に学習することができたことは大きかったと思っています。
現在、並行してC言語やJavascript、PHPなども電子書籍テキストを読むことがありますが、Javaと基本的な流れは同じなので、より短時間で習得できます。
今回、ご紹介した勉強方法や本が、皆さんの資格取得にお役に立てば幸いです。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。