WinActor(RPAツール)を使ってみた感想・レビュー

ITトレンド

公開日:2019年4月14日

RPAツールを導入する企業が増えています。

様々なRPAツールが存在しますが、現在、日本国内で最もシェアが高いのが「WinActor」です。

私はこれまでRPAツール経験がなく、VBAツール開発やWeb制作の案件に取り組むことが多かったのですが、つい最近、ある会社でWinActorを利用する機会を得ることができました。

そこでこのページでは、WinActorを使ってみた感想について、主にVBAと比較という形でレビューしたいと思います。

WinActor(RPAツール)を使ってみた感想・レビュー
目次

1.RPAとは

RPA(Robotic Process Automation)とは、「ロボティック・プロセス・オートメーション」、すなわち、業務効率化を目的としたロボット(IT)による自動化のことをいいます。

従来のロボット自動化は工場で多く活用されていましたが、RPAは、主にオフィス内の事務作業を効率化するために使用します。

代表的なRPA活用方法としては、Excelデータの入力作業です。ある規則に基づいた入力作業であれば、人間が行うよりも遥かに効率的にかつ正確にRPAツールが作業してくれます。

RPAの特徴としてVBAツール開発と比較すると、RPAでは分かりやすいGUI画面で、プログラミング言語を使用せず(使用もできますが)に業務効率化のツール開発が可能です。

2.WinActorとは

WinActorとは、RPAの機能を有するツール(ソフトウェア)の一つです。NTTグループが開発しました。

ExcelなどのOfficeツールやInternet Explorer(IE)など、Windowsとの親和性が高く、日本国内では、現在、最も企業で使用されているRPAツールです。

プログラミングではなく、GUI画面上でシナリオを作成することで、業務を自動化するプログラムを開発することが特徴です。

価格は1ライセンスあたり年間で約90万円となっています。

3.WinActorを使ってみた感想

ある企業でVBAツール開発していた際に、研修の一環として、研修用資料を見ながらサンプルプログラムを動かしたり、実際にRPAツールを作成してみる機会がありました。

私自身はこれまでもVBAツール開発やWeb制作を行ってきたので、どちらかと言えばプログラマー寄りの人間と思っています。

以下、WinActorを使ってみた感想です。

(1)良かった点

①操作性・ユーザビリティ

研修資料がしっかりしているのもありますが、画面がユーザーフレンドリーで分かりやすい。

プログラミングだと、コーディング説明のためコメントを残しておきますが、シナリオ画面を見れば行う動作は分かるので、コメントを残す必要がありません。

また、プログラミングの場合には、プログラマーのコードの癖や独自性が出やすいため、後任者がツールメンテナンスする際に苦労するケースは少なくありませんが、WinActorであれば、相対的に、各段にツール制作の一元化がなされるため、後任者に引継ぎやすいということもメリットだと思いました。

シナリオ作成の基になるライブラリも豊富に用意されており、またシナリオの記録モードもあるため、使いこなせればVBAツール開発よりも短時間で開発できる可能性もあります。

②VBAでは実装が難しいアプリ連携に対応可能

VBAであってもOfficeソフト間やIE、Windows SQLサーバーなど、他のアプリケーションとの連携は実装可能です。

しかし、例えば電卓ソフトで「1+1=2」の結果を表示させることは難しい。Exeアプリとの連携がVBAツールだと起動くらいは実装できますが、Exeアプリの特定のボタンをクリックする行為を実装するのは難しい。

これに対してWinActorであれば、Exeアプリの画面をキャプチャして、位置情報を読み取って、その位置に対してクリックする操作を行う、といった命令を記述する(シナリオ作成する)ことが可能です。

③管理のしやすさ

WinActorが年間ライセンス料によるサービスであることと関係があります。

コストがかかるため、WinActorを使用できるPCには制限が出てきます。ExcelやAccessのように全ての従業員のPCにインストールするわけにはいきません。

すると、WinActorを開発するPCだけ管理すればよいので、管理が楽です。

例えばVBAツールでは、どのMicrosoft OfficeがインストールされているPCであれば、どのPCからでもVBAツールを実行できますし、コードの編集もできます。従って、どのPCからVBAツールを使用したのか、コード編集したのかを特定することが難しい。

④ITエンジニア育成

日本国内のIT人材は不足しているのは周知の事実です。

WinActorを導入した結果、WinActorに興味を持った者が、さらにプログラミング言語に興味を持ち、ITエンジニアになりたいと思う可能性があります。

従って、WinActorの導入はITエンジニア育成に一役買うことになると思います。

(2)良くない点

①開発スピード

まず、WinActorを覚えるための時間が必要です。

その後、WinActorで開発していきますが、習熟までに時間がかかります。

また、WinActorは有料サービスであるためライセンス数を制限して導入することになります。全てのPCで使用できるわけではないため、WinActorが入っているPCの使用スケジュールを作って、開発したい者は事前に予約しておく、といったことが必要になります。

最後にシナリオ作成とVBAプログラミングとを比較した場合、同じ事務処理であれば、WinActorによるシナリオ作成よりもVBAの方が短時間で開発可能と思いました。

②WinActorへの抵抗

事務作業を行う方法によって次の3グループに分けるとします。

  • ・Officeソフトを手作業で操作する(以下、手作業)
  • ・VBAツールを開発して作業を自動化する(以下、VBA)
  • ・WinActorでシナリオ作成して作業を自動化する(以下、WinActor)

その手法に慣れていればそれだけ、他のグループへの移行には抵抗があります。やはり慣れている方法が一番落ち着きますので。

すると、トップ主導でWinActorを使用することになっても、WinActorに興味ある者はWinActorに移行するでしょうが、当該作業を行ってきた者(手作業)や開発してきた者(VBA)からの積極的な協力は得られない傾向はあるのではないか、と思います。

③コスト

WinActorのライセンス費用は年間約90万円です。

年間90万円を上回る効果が得られるのかどうか、導入前に効果を得られると言える企業は限られてくるでしょう。

最初はIT化を推進している大企業が導入し、効果が得られた実績が蓄積され世間に周知されれば、他の企業も追随していくことになるでしょう。

4.まとめ

以上、WinActorを使ってみた感想・レビューをコメントしました。

月並みなコメントではありますが、結局は「手作業、VBA、RPAの良い所が発揮できるようにそれぞれの特徴(特に強み)を理解して、作業によって使い分ける」ということだと思いました。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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